愛猫の死を振り返り、なぜ私がペットロスにならないのか考察してみた。自分次第で必ず回避できるよ。
20年間、共に暮らした愛猫を安楽死で送りました
昨年11月に心不全で死にかけた愛猫が自力で持ち直したものの、5月27日の19時59分に亡くなりました。20歳9ヶ月でした。
もうガリガリに痩せてまっすぐ歩けないくらいヨボヨボだったのですが、それでも亡くなった日の15時過ぎまでは意識もしっかりしてご飯も食べたりしていたのです。しかし、16時半に口から泡を吹いて倒れ、その後は意識レベルが落ちてボ~ッとしたり、30分おきに酷い発作を起こしたりし、もう回復の見込みが無く、死に向かって発作が悪化していくだけだと分かり、獣医師と念入りにQOLの確認をした後に安楽死の処置を行いました。発作が小康状態の時を狙って行ったので、それはそれは30秒ほどで眠るように亡くなったのでした。
生かしておこうとする努力
生き物は生まれた時から死に向かうわけですが、私たちの多くは死を遠ざけようと努力します。生き物の身体は確実に壊れていくのに、壊れていく身体を修理しながら生き続けようとするのは相反する行為です。
それは生き物であるかどうかに関わらず、元気な状態の時は、たとえ不調が生じても軽微な修理で済むことも多いでしょう。しかし、重篤な状態の場合は、修理にかかる手間は増大していきます。それでも、最後には肉体は壊れてしまうのです。
生かすことに執着すると、身体に良いと言われる食べ物や、病気に効くと言われる薬や、腕の良い医者など、手当たり次第に手を出してしまいます。それは、常に飢えと乾きに苦しみ、決して満たされることがない餓鬼のような状態かもしれません。
死ぬこと受け入れられない方の苦しみ
私たちの愛猫、愛犬(愛玩動物)が不慮の事故や病気に遭遇してしまった場合、「とにかく助けたい」「何が何でも助けたい」という判断をしてしまうと、その後の対応は、その判断が基になってしまいます。とにかく助けるためにはどうすれば良いかと考え、とにかく治療してくださいと獣医師に懇願することになります。近くに救急病院がある方は連れていくでしょう。愛猫や愛犬自身は「もうすぐ死ぬ」「もう楽になりたい」と考えていたとしても、そのような意思を無視して、飼い主本人のために治療をすることになってしまいます。そして、治療の甲斐なく亡くなった場合、「愛猫、愛犬(愛玩動物)の苦しみを長引かせただけではなかったか」などという考えがよぎり、長く苦しむことになったりするのです。
一方、近くに救急病院が無い方は、連れていけない境遇を責め、精神的に苦しむことになります。
一方で死ぬという事実を受け入れている方は、見守ったり、撫でたり、身体を拭いてあげたり、最小限だけれどもできるだけのことをして死の準備をしてあげることができるでしょう。
最初に「何が何でも助けたい」ありきの思考は危険かもしれません
老衰であれ、事故が原因であれ、愛猫、愛犬(愛玩動物)と幸せな別れをしたいのであれば、「何が何でも助けたい」などという判断を最初に下すべきではないのです。「助かるのか、助からないのか」事実に基づき区分することが大切ではないでしょうか。
「頭を打ったか」「出血はしているか」「痙攣しているか」等、状況を正確に観察し、治療により助かる要素があるのか獣医師と客観的に区分することにしておけば、「助かるから治療する」「助からないから死ぬまでできるだけ楽に暮らせるような措置をする」などの判断ができと思います。
ペットロスは自分が関与した動物以外では起きないのです
私たちが動物の死に際して、真に悲しみを感じるのは、自分が関与した(自分の家族同然の)動物の死の場合です。
全く関係の無い、テレビ番組で見かける動物の死のような場合は、自分が関与した動物ほどの悲しみを感じないのです。だからこそ、自分の家の動物は溺愛しつつも、一方で私達は美味しく焼肉や焼鳥を食べていたりするのです。
本当に死が悲しいものであるならば、全ての生命の死を悲しまなければ矛盾しませんか?
ペットロスを引き起こすのは人のエゴ(執着)ではないですか?
動物の死に対して悲しみを感じるのは、実は人間のエゴ(執着)です。飼い主が悲しもうが悲しむまいが、亡くなった動物にとっては全く意味がないと思います。
生前の動物との日々の生活を大切にし、亡くなったら動物への執着を手放して気持ちよく送りだす。そして、亡くなった子のいない生活に慣れていく。それこそがペットロスにならないために重要なことだと私は思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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